GOOSYNN Ti-Fi PRO 徹底解説 Vol.3 実戦インプレッション
GOOSYNN徹底解説 Vol.3
実戦インプレッション
「真円をキープする」異次元の転がりと、路面を味方につける推進力
前回までは、GOOSYNNが提唱する「Tensioned Comfort(張力による快適性)」の哲学と、アラミド繊維スポークの「強度と剛性のパラドックス」について解説してきました。
机上のデータやメーカーの意図は素晴らしい。 しかし、現場で機材を扱う私にとって一番肝心なのは、「実際の走りはどうなのか」という点に尽きます。
今回は、私自身が『GOOSYNN Ti-Fi R50 PRO』を履き、シェイクダウンから実戦的な環境まで走り込んで感じた、率直なインプレッションをお届けします。
先入観の裏切り。「思いのほか、軽い」
まず、テストした機材の主要スペックです。
重量: 1,270g(カタログ値)
リム高: 50mm
リム内幅 / 外幅: 25mm / 34mm
初めてこの「アラミド繊維のロープスポーク」を目にした時、正直なところ私の中には少しの疑問がありました。 「初速や加速、強く踏み込むようなシチュエーションでは、絶対にモッサリするんだろうな」 「脚にまとわりついて、重量は軽いけれど走行感は重いのではないか」
しかし、実際に走り出してすぐ、その先入観は良い意味で大きく裏切られることになります。
初速の反応。思いのほか、軽い。 正直、驚きました。
ペダリングに対する反発がすごくナチュラルで、デッドポイントが少ない。一般的な高剛性ホイールにありがちな「硬質な反応」とは異なり、路面の細かな凹凸をいなしながらも、非常に軽快に加速してくれます。
剛性の限界と、後から伸びる速度
「しなやか過ぎるのでは」という一部の評価に対する、私なりの答えです。
確かに、1,000ワットを超えるような強烈なスプリントでは、剛性の限界を感じるのかもしれません。しかし、平坦基調でのダッシュや、実戦的なペースアップにおいて、剛性不足を感じるには至りませんでした。
むしろ、踏み込んだ後に**「速度が後から伸びていく感覚」**があります。これが、意図的に剛性を落とし、しなやかさを持たせたスポークの「反発力」なのでしょう。
最大の驚き。「真円をキープして転がる感覚」
最も驚かされたのは、やはりその振動吸収性です。 ここ最近、カーボンスポークのホイールを使い込んでいたため、余計にそのギャップを感じたという側面はありますが、マンホールを踏んだ際の「ポン!」という軽やかな衝撃のいなし方は、まさにTi-Fiスポーク特有のものです。
そして、荒れた路面を走り込む中で、私はある一つの感覚を確信しました。 それは、**「リムが変形せず、真円をキープして転がる感覚」**です。
しなやかなロープスポークが路面の凹凸をすべて受け止めてくれるため、リム自体は衝撃でブレることなく、ただひたすらにスムーズに転がり続けます。 避けたくなるような荒れた路面でも関係なく、です。
実際に凹凸路面で加速しているということはないと思いますが、悪路でも「失速感」が極めて少ないため、体感的には**「荒れた路面でむしろ加速していくような印象」**すら受けます。 それだけ、従来の金属スポークやカーボンスポークは、目に見えないレベルで路面に弾かれ、失速していたということなのでしょう。
「Smooth is fast」の証明
「快適性は妥協ではなく、よりインテリジェントな効率性である」 GOOSYNNが掲げるこの哲学を、私はシェイクダウンから身をもって体感することができました。
ロードレースはもちろんですが、この失速感のなさは、グラベルやシクロクロスといった過酷な環境下で、さらに大きなアドバンテージを生み出すはずです。
「路面を味方につける」という新しい選択肢。 ぜひ一度、この異次元のスムーズさを体験してみてください。
―――【Jamcycle 機材インフォメーション】
GOOSYNN Ti-Fi R50 PROをはじめ、店舗にて試乗予約・ご相談を承っております。データだけでは語れない「生きた機材の感覚」を、ぜひご自身の脚でご体感ください。
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