【8LIEN AETHER 5 徹底解説 Vol.1】 空力と極限軽量化
8LIEN AETHER 5
空力と極限軽量化の交差点。
素材工学が打ち破る「第5元素」の領域
機材の進化において、「重量」「空力性能」「横剛性」「快適性」という4つの要素は、常にトレードオフの関係にありました。しかし、今回ご紹介する新世代ホイール8LIEN AETHER 5(エーテル 5)は、この旧来の物理的制約に対して根本的な変革をもたらすものだと感じています。
古代ギリシャ哲学における第5の元素「AETHER」を冠したこのモデルは、物理的制約からの完全な脱却を設計の根幹に据えているようです。前作「L5W」のリム外形を継承しつつ、どのようにして1,040g ± 30gというシステム重量(前作比約150g減)を達成したのか。その核心に迫ります。
全3回のシリーズで検証していきます。Vol.1は空力設計とリム素材工学、Vol.2はスポークとハブシステム、Vol.3は実走インプレッションをお届けします。
前後異径リムと105%ルールの完全適用
AETHER 5は、フロント45mm、リア50mmという非対称のリムハイトを採用しています。
フロントの45mmは、横風による突発的なステアリングトルクを抑え、ハンドリングのストレスを低減させる役割を担っていると考えられます。リアの50mmは、ライダーの脚やフレームが巻き起こす乱流の中で空気の巻き込みを抑え、バイクとホイール全体の空気抵抗を最小化するための設計ではないかと思います。
さらに注目したいのが、内幅25mm・外幅34mmという極めてワイドなプロファイルです。これはZIPPが提唱した流体力学の黄金則「105%ルール」に完全に適合しています。最適とされる28c〜30cのタイヤを装着した際、タイヤからカーボンリムへと続く気流の遷移がシームレスな翼型を形成し、気流の早期剥離を抑制すると言われています。
リム外幅がタイヤ幅の105%以上であることで、空気がタイヤからリムへ滑らかに流れ、抵抗が最小化されるという考え方です。AETHER 5の外幅34mmは、28cタイヤ(実測約29mm)に対してこの条件を満たしています。
T1100GとM40Xが織りなす
究極の複合積層
外形を変えずに限界を超えた薄肉化を果たした秘密は、特性の異なる2つの最高峰カーボンの「局所積層」にあるようです。
7,000 MPaという世界最高クラスの引張強度を誇る繊維を、ニップルホールやリムベッドなど応力が集中する基幹構造に配置しています。これにより、1040gという超軽量でありながら、110kgのライダー体重制限をクリアする耐衝撃性を獲得しているとのことです。
377 GPaという極めて高い引張弾性率(硬さ)を持つ次世代繊維を、サイドウォールに精密に配置しています。スプリント時の横方向のたわみを最小化し、踏んだ力をロスなく路面に伝えることを意図しているのではないかと考えられます。
つまり、「壊れない強さ」と「たわまない硬さ」を必要な場所に、必要な量だけ配置するという考え方です。一律に全体を厚くするのではなく、応力解析に基づいて最適な場所に最適な繊維を置く。この「局所積層」が、外形を変えずに約150gの軽量化を可能にした鍵なのではないかと思います。
このリム設計の恩恵は、Vol.3のインプレッションで触れた「4.2〜4.3barでも不快な振動がない」という乗り心地に表れていると感じています。リム自体の剛性は高いまま、振動吸収はスポーク側に委ねるという役割分担が、この素材選択によって成立しているのではないでしょうか。
AETHER 5 ── 確認済みスペック
リムハイト:F45mm / R50mm
リム内幅 / 外幅:25mm / 34mm
リム素材:Toray T1100G(基幹構造)/ M40X(サイドウォール)
スポーク:8LIENオリジナル Gen4カーボン(厚み1.2mm)
ライダー体重制限:110kg
Vol.1では、AETHER 5の空力設計とリム素材工学を見てきました。前後非対称リム、105%ルールへの適合、T1100GとM40Xの局所積層 ── これらの技術が1040gという数字を支えていることが確認できたように思います。
しかし、リムだけでは速いホイールは作れません。次回のVol.2では、このリムのポテンシャルを路面へと伝達する駆動ネットワーク ── 8LIENオリジナルGen4スポークの核心に迫ります。なぜ彼らはVONOAを採用せず、オリジナルにこだわったのか。その答えは、彼らが意図的に残した「ある数値」に隠されていました。
8LIEN AETHER 5をはじめ、店舗にて試乗予約・ご相談を承っております。
データだけでは語れない「生きた機材の感覚」を、ぜひご自身の脚でご体感ください。
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